第8回 天高アカデメイア+(プラス)を開催しました
2024.11.05
「遺伝的アルゴリズムでフォノニック結晶ナノ構造を自動設計する」
講師 東京大学生産技術研究所 野村政宏先生
10月30日(水)に、東京大学生産技術研究所の野村教授にオンライン講演を実施していただきました。
講義の冒頭で、「これからは熱の時代」とキーワードを挙げ、具体的に置くだけで熱を電気に変換する技術の紹介や、半導体チップのナノスケールの熱伝導についてご紹介いただきました。その後に、遺伝的アルゴリズムを利用した設計へと話は進み、野村先生は現在のご専門とは異なる分野からの視点があるため、伝熱工学では概念として存在しなかった考え方を導入できたことが強みだと語られていました。まさにこれは、遺伝的アルゴリズムによる突然変異を期待した開発と類似したものであり、難解な研究内容もわかりやすくエッセンスをお話いただけ、オンライン講義でありながらも、うなずきながら講義を聴いている生徒の姿が見られました。
どのように新しい「問い」を生み出すのか、またその「問い」をどのように客観的に示すのか(例えば集熱をどう証明するかなど)を研究者からお話いただけたことは普段の授業では得られない経験となりました。また、『今、学んでいることや一見何に「役に立つ」かわからないことでも、その経験が「線」になる』というメッセージは大きな糧となりました。
【生徒の感想】
- 今まで「1つの進路を1つの学びたいことを選ぶ」という印象が強くあった。しかし、今回のお話を聞いて、色々なものに触れてみるというのも選択の1つとして挙げられるのだと強く感じた。また、今後研究などを行っていく際に、その分野に固定して考えずに自分が今まで経験してきたことや自分の常識から視点を向けてみることで、より深い研究ができるのかな、と感じた。
- 異分野の考え方が他の分野で役に立つことがあるのって、非常にロマンがあるなと思いました。だからこそ、研究部の間での交流会ってすごい意義があるんだなと思いました。
- 自分がこれから長い時間をかけて学んでいきたいと思える分野が見つからないことで、ずっと悩んでいたけれど、興味ある分野を探して多くのことを体験している今も無駄じゃないということがわかって気持ちが楽になった。
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