大阪府立天王寺高等学校

学校長より

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ご挨拶

皆様、ようこそ天王寺高校のホームページにおいでくださいました。

本校は明治29年(1896年)に大阪府立第五尋常中学校として創立され、創立130年目を迎える歴史ある学校です。開校以来、さまざまな分野に幾多の有為な人材を輩出してまいりました。その校風は、「自由闊達 質実剛健」を旨とし、勉学のみならず、多彩な行事や部活動を通して仲間たちと切磋琢磨し、自らを鍛錬する文武両道を実現しています。

この誇り高き伝統を教育方針の根底に受け継ぐ一方で、文部科学省からは「スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)」(H16~)、大阪府からは「グローバル・リーダーズ・ハイスクール」(H23~)などの指定を受け、専門性の高い理数教育、英語や情報機器の活用能力の習得、海外の学生との交流などを通じて、科学的思考力や豊かな国際感覚の育成を図るとともに、課題研究の授業等において、チームとして協同できる力やプレゼンテーション能力を養うなど、文化、社会、科学技術等、幅広い分野において、将来、グローバルに活躍できる人材の育成をめざしています。

この教育活動を持続可能とするために、「授業第一主義、鍛錬主義、本物志向、課題研究、文武両道」を教育の五つの柱とする「天高育成プログラム」(3年間の教育活動を俯瞰し、各取組の有機的関連性を明確に示し、教育目標を図式化したもの)を作成しています。

天高育成プログラムでは、1年次の目標を「天高生になる」、2年次の目標を「リーダーになる」、3年次の目標を「夢の実現」とし、豊かな人間性を育む「全人教育」を日々実践しています。

≪秀才を誇らず野人を誇る。名門を言わず実力をいう。明朗にして適度に楽しむことを忘れない≫

天高が誇るこのモットーのもと、「人の心の痛みがわかる真のリーダー」の育成に向け、教職員一同、精一杯取り組んでまいりますので、引き続き、皆様のご理解と温かいご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

令和7年4月1日  校長 立川 猛士

令和6年度 卒業式 式辞

冬の厳しい寒さも和らぎ、春の訪れを感じる今日の佳き日、第七十七回大阪府立天王寺高等学校卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、同窓会会長上西様、PTA会長奥野様、PTA役員の皆様をはじめ、多数の保護者の皆様のご列席を賜り、誠にありがとうございます。
高いところからではございますが、厚くお礼申しあげます。

ただ今、卒業証書を授与いたしました卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

皆さんが入学してからの3年間、我々教職員は、天高育成プログラムにもとづき、「高い志の育成」「知性の向上」「天高魂の涵養」を目標に教育活動を行ってきました。日々の授業、ウィークリーテスト、読書ノート、部活動、創知での探究活動、運動会、文化展示発表会、水泳訓練、コロナ禍で日帰り実施となった林間学校、修学旅行、合唱コンクール、長距離走大会、金剛登山、徒歩訓練・・・。

その中で、皆さんは自己の変容、成長をどのように感じていますか。
皆さんにとって「天高魂とは」「野人とは」どのように捉えているのでしょうか。

私はこの1年間、皆さんと触れ合う中で、新鮮な感動、想定外の気づき、仕事へのやり甲斐や誇り、感謝する気持ちなど、たくさんのことをいただきました。

毎朝7時に登校し自習する姿、手垢で馴染んだ単語帳で学習する姿、廊下で先生に納得いくまで質問する姿、真剣に講習会に臨んでいる姿、天模試の結果に苦笑いする姿、ティータイムに笑顔でお弁当を頬張る姿、主将としてチームメートを鼓舞する姿、マネージャーとしてチームを献身的に支える姿、ゴールラインに全力で突進する姿、勇気をもってフルスィングする姿、行事でクラスのリーダーとして悩みながらも調整力を発揮する姿、陸上ボートで思いっきり弾ける姿、創作ダンスを見事に企画・立案・実行する姿、フィナーレで仲間を楽しませようと工夫する姿、昼休みに子どものように無邪気に遊ぶ姿、仲間を一生懸命支えようとする姿、猛暑の中での球技大会で全力プレーする姿、課題探究発表会で教授の専門的な突っ込みに堂々と受け応えする姿、自分たちの創作活動についての熱い思いを語ってくれる姿、天高をもっともっと良くするためのアイデアを語ってくれる姿、自身の進路についての思いを語ってくれる姿、最後の最後まで登校してひたむきに学習する姿・・・。

君たちのその純粋さは美しい、とてもとても輝いています。本当にありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。

いよいよ、皆さんはこの学び舎から次のステージへと進みます。
ここ城南の別天地から、自由の翼を拡げて、急速にグローバル化、多様化が進む世界へと旅立ちます。
隣人との関係をどの様に築くか から、地球規模の環境問題、エネルギー問題、食糧問題まで、さまざまな難題が待ち受けています。
課題に直面したとき、解決できない理由を考えることは簡単です。
しかし、どうすれば解決できるかを考えることは極めて難しいです。

実際、様々な価値観、異なる文化や慣習など、多様性が高まる中、解決策を見出すことは容易ではありません。
また、研究者として、成功するかわからない新たな技術の開発に向けて、失敗を繰り返し、粘り強く基礎研究を続けていくことは容易ではありません。

でも皆さんにはこの3年間で培われた「天高魂」があります。
「秀才を誇らず野人を誇り、名門を言わず実力をいう。明朗にして適度に楽しむことを忘れない」。
この「天高魂」を心に秘めて、常に当事者意識をもって課題に向き合い、その解決に向けて行動してほしいと思っています。 

正解はなくても、その時点での『最適値』は必ず存在します。 
また、失敗を繰り返す中で、新たな価値が創造されるかもしれません。
多様性を理解し、可能性を信じて、自らの頭で考え、未来を切り拓いていく、「人の心の痛みのわかる真のリーダー」として、それぞれの世界で活躍することを切に願っています。

「野人」がイノベーションを起こします。
たとえ、「文明」を変えたとしても、皆さんは「野人」のままで、「野人とは何か」を一生探究してください。

今、皆さんが手にした卒業証書は、一人ひとりのたゆまぬ努力によって得られたことはもちろんですが、その陰には、深い愛情を持って見守ってくださったご家族、友人、先生方、同窓会、桃陰奨学財団、地域の方々など、多くの人たちの励ましや支えがありました。このこともしっかりと胸に刻み、感謝の気持ちをいつまでも忘れないでください。

今日ここに座ることのかなわなった仲間への思いとともに、もう一度、皆さんにエールを送ります。

「七十七期生の皆さん、卒業おめでとう!」

そして、これからは、卒業生として、後輩へのご支援をよろしくお願いいたします。

最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
保護者の皆様には、この3年間、本校教育活動へご理解、ご協力を賜りましたことに、教職員を代表して、深く感謝申し上げます。ありがとうございます。

この最高の学び舎を「天高生としての名誉と責任」をもって巣立っていく七十七期生の前途に、幸多かれと祈念いたしまして、私の式辞といたします。

令和七年二月二十八日
大阪府立天王寺高等学校長
立川 猛士

令和7年度 入学式 式辞

本日、ここに令和七年度大阪府立天王寺高等学校「入学式」を挙行するにあたり、同窓会会長の上西様、PTA会長の奥野様のご臨席を賜り、誠にありがとうございます。
高いところからではございますが厚くお礼申しあげます。

また、保護者の皆様には、多数のご列席をいただきまして、ありがとうございます。
本日、立派に成長されたお子様の姿に、さぞや感慨深いものがあろうかと存じます。

さて、先ほど、入学を許可いたしました、天王寺高校、第80期生、360名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。天王寺高校を代表し、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

皆さんは高い志をもち、日々勉学に励み、入学者選抜を見事突破し、めでたく入学することができました。
これから始まる高校生活への期待に胸を膨らませ、大きな夢を抱いていることと思います。
この日を迎えることができたのは、皆さんの努力の成果であることは言うまでもありませんが、これまで皆さんを、時には優しく、時には厳しく指導してくださった、保護者をはじめ、ご家族の皆様、小学校、中学校の先生方など、多くの方々の支えがあったからです。このこともしっかりと心にとめ、「感謝の気持ち」をいつまでも忘れないでください。
また、本校に入学することが叶わなかった、たくさんの人たちがいることも決して忘れないでください。

さて、本校は明治29年(1896年)に大阪府第五尋常中学校として創立され、創立130年目を迎える歴史ある学校です。開校以来、日本全国、世界各国のあらゆる分野に人材を輩出してまいりました。その校風は、「自由闊達 質実剛健」を旨とし、勉学のみならず、多彩な行事や部活動を通して仲間たちと切磋琢磨し、自らを鍛錬する文武両道をめざしています。

この誇り高き伝統を教育方針の根底に受け継ぐ一方で、社会の急速なグローバル化や情報化、高度な技術革新といった変化にも対応できる教育活動を行っています。これまで、文部科学省からは「スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)」、大阪府からは「グローバル・リーダーズ・ハイスクール」などの指定を受け、専門性の高い理数教育、英語の活用能力の習得、海外の学生との交流などを通じて科学的思考力や豊かな国際感覚の育成を図るとともに、課題研究の授業等において、チームとして協同できる力やプレゼンテーション能力を養うなど、文化、社会、科学技術等、幅広い分野において、将来、グローバルに活躍できる人材の育成を行っています。

この恵まれた教育環境のもと、本校で高校生活をスタートする皆さんに、私の思いをお話しします。

本校は、天高育成プログラムにもとづき、「高い志の育成」「知性の向上」「天高魂の涵養」を目標に教育活動を行っています。
この天高育成プログラムでは、1年次の目標が「天高生になる」です。今皆さんは、まだまだ「リーダーの卵」です。これから孵化する過程を経ることになります。

「啐啄同機」ということばを聞いたことがありますか。
このことばは、卵が孵化するとき、卵の中のヒナが内側から殻を自分のくちばしで破ろうとし、また親鳥も外からその殻を破ろうとする、そのタイミングが上手く一致することで、ヒナ鳥はこの世に生を受けて外の世界に出ることができる、という禅語です。

我々教職員は、まずは、「リーダーの卵」である皆さんが、自ら孵化しようとするタイミングをしっかりと見守りながら適切にアドバイスしていきたいと考えています。
そして、この学校での多彩な教育活動を通して、自分の殻を突き破り、「人の心の痛みのわかる真のリーダー」となるための素養を身に付けてほしいと願っています。

そのために天王寺高校生活において大切なことを三つお話します。

まずは「日々の授業を大切にすること」です。
本校は「授業第一主義」を教育の柱に据え、全ての教員が日々授業力向上に努めています。
学校での授業を大切にし、「予習・授業・復習」という学習習慣をしっかり身につけてください。
「当たり前」のことを「当たり前」に3年間継続することは容易ではありません。しかし、生活習慣として獲得してしまえば、自然と継続が可能となります。これができるか否かが、皆さんの将来を大きく左右します。
もう一度伝えます、「予習・授業・復習」という学習習慣をしっかり身につけることができるか否かが、皆さんの将来を大きく左右します。

二つめは、「チャレンジすること」です。
皆さんの中には、失敗することを恐れて、チャレンジすることをためらっている人がいるのではないでしょうか。
失敗して傷つくのは避けたいとか、周囲からどのように思われるだろうとか・・・
当然のことですが、何か新しいことにチャレンジすると、上手くいくときもあれば、そうでないときもあります。難しいチャレンジであればあるほど失敗する確率は高くなります。たとえ失敗しても、そのチャレンジにより確実に経験値が高まるとともに、不思議と「感性」が磨がれます。これがとても重要です。知識の詰め込みだけでは新しい発想は産まれません。そこに「感性」が加わることで新たな価値が創造されます。この失敗から得た経験が、将来の大きな成功に繋がります。失敗を恐れずチャレンジするかどうかが、皆さんの将来を大きく左右します。

三つめは、「新しい自分に出会うこと」です。
本校で、出身中学校が異なるさまざまな仲間との出会いを通じて、日々の学校生活や多彩な行事や部活動において、切磋琢磨し、豊かな人間関係を築き、自分とは異なる考えや、価値観があることを学んでください。
また、本校の多彩な行事の一つである「天高アカデメイア+」では、様々な世界で活躍されている方による特別講義を行っています。自分の興味のある内容はもとより、今まで全く興味・感心のなかった分野の話を聞きに行くことによって、新たな発見、衝撃的な出会いがあるかもしれません。
それらの経験を通して、今までとは異なる見方や考え方を身に付け、新しい自分を発見してください。

未知の世界への一歩が、皆さんの将来を大きく左右します。
新入生の皆さん、今日のこの感激の気持ち、感謝の気持ちを忘れず、「天高生としての名誉と責任」をもって、有意義で実りのある高校生活を送ってください。

保護者の皆様、我々教職員一同、「秀才を誇らず野人を誇る。名門を言わず実力をいう。明朗にして適度に楽しむことを忘れない」
天高が誇るこのモットーのもと、「人の心の痛みのわかる真のリーダー」の育成に向け、精一杯取り組んでまいりますので、本校の教育方針にご理解いただき、ご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げまして、入学式の式辞といたします。

令和七年四月二日
大阪府立天王寺高等学校長
立川 猛士