第11回 天高アカデメイア+(プラス)を開催しました
「間合い~生態学的現象学の探究~」
講師 立教大学 河野哲也 先生
11月21日(木) 第1回天模試(国語)で扱われた論考の筆者である立教大学の河野哲也先生にオンライン講演を実施していただきました。
「間合い」という、一見何もないが世界を構成する重要な要素について考察する機会となりました。「間が悪い」「間違い」「間抜け」「間が持たない」など様々な「間」に関する言葉を例に挙げ、科学技術、武道、芸術に思考を広げていただきました。
【生徒の感想】
「間」が世界に存在する「力」だとおっしゃっていて、なるほどと思いました。「間」は周囲のものによって勝手に作られるものだから「存在する」というと違和感を感じてしまいましたが、講演を聞いて変わりました。流れやリズムが間によって作られているというのはすごく共感しました。でもその「間」から受け取るものは人によって違うし、心地よい「間」も人によって違うと感じたので、良い「間」を取って主体的にできるように、生活の中で「間」を意識していこうと思いました。会場からの質問が講演の内容をより深くしていたように感じて、自分以外の人の聞き方からも学ぶことができました。
間とは、地球と太陽の間の距離にある宇宙空間のように双方の発するパワーを鎮め、混ざり合わせるものであり、相手の方向を受けながら、完全に同調はしない弱い(あるいは)小さい力であるのかなと思った。また、ベルトコンベアーの上を流れる荷物のように、一定の速さを持って、主体のある「もの」と「もの」が目の前を流れていく、ふとしたときに視界が開けて「もの」が途切れた、その瞬間なのかなとも思った。ちょうどいいだけの視界が開けていた時間があって、それが終わったら自分がその主体ある「もの」になってもいいような瞬間。地球上では間とは空気で、物体の間を満たしている。その空気感をもつこと、自分とその周囲の間を含めて自分とすること、そこで初めて自分と周りの間たち全体に、主体性がうまれたといえるのではないか。何か大きなパワーが自分の近くに来ても、まわりを含めた間、自分が揺らがないこと、その状態を主体的だと呼ぶのでは。
前の記事へ | 新着情報一覧 | 次の記事へ |