第10回 天高アカデメイア+(プラス)を開催しました
2024.11.22
「生物の体の設計原理をもとに臓器を作る」
講師 京都大学医生物学研究所 永楽 元次 先生
11月13日(水) 京都大学医生物学研究所の永楽元次先生にお越しいただき、天高アカデメイア+を実施いたしました。
「個体発生は究極の自己組織化」であるという言葉とともに、生体組織は「パーツ、組み立て、完成」ではなく、工業製品との違いを学びました。
臓器の「ものづくり」の道には最適なプロセスがすでにあるが、それが正解である理由がわからない。「ものづくり」の考え方が根底から違うのである。
今回も異なる分野からの視点が新たなものの見方につながることを実感できたご講演でした。
【生徒の感想】
英語の教科書で「human egg cells」を使用することは生きているものを殺すことであり、クローンをつくることにもつながるので問題があるという文章を見たことがあり、ES細胞をどうやって用いるのかをお聞きしたいと思い、(講演会の質疑応答で)質問させていただきました。
ご回答を聞いたときは、あまり問題ではないように感じられました。しかし、友達と話しているうちに「倫理的に良い悪い」が様々な方向から考えると、異なっていることに気づき、先生のおっしゃてた「答えがない」「難しい」の意味がわかりました。
おそらくはっきり白黒がつけられない問題であり、様々な視点あるいは立場の人から本当に多様な意見が出てくると思うので、これからも我々は悩まざるをえないのかなと思います。大事なのは悪用しないこと、使用目的をはっきりさせた上で「良い」かをしっかり議論して決定すること、できるだけ白に近いグレーゾーンにし続けることなのではないか、とも感じました。
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