大阪府立天王寺高等学校

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令和6年度 卒業式 式辞

2025.04.03

冬の厳しい寒さも和らぎ、春の訪れを感じる今日の佳き日、第七十七回大阪府立天王寺高等学校卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、同窓会会長上西様、PTA会長奥野様、PTA役員の皆様をはじめ、多数の保護者の皆様のご列席を賜り、誠にありがとうございます。
高いところからではございますが、厚くお礼申しあげます。

ただ今、卒業証書を授与いたしました卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

皆さんが入学してからの3年間、我々教職員は、天高育成プログラムにもとづき、「高い志の育成」「知性の向上」「天高魂の涵養」を目標に教育活動を行ってきました。日々の授業、ウィークリーテスト、読書ノート、部活動、創知での探究活動、運動会、文化展示発表会、水泳訓練、コロナ禍で日帰り実施となった林間学校、修学旅行、合唱コンクール、長距離走大会、金剛登山、徒歩訓練・・・。

その中で、皆さんは自己の変容、成長をどのように感じていますか。
皆さんにとって「天高魂とは」「野人とは」どのように捉えているのでしょうか。

私はこの1年間、皆さんと触れ合う中で、新鮮な感動、想定外の気づき、仕事へのやり甲斐や誇り、感謝する気持ちなど、たくさんのことをいただきました。

毎朝7時に登校し自習する姿、手垢で馴染んだ単語帳で学習する姿、廊下で先生に納得いくまで質問する姿、真剣に講習会に臨んでいる姿、天模試の結果に苦笑いする姿、ティータイムに笑顔でお弁当を頬張る姿、主将としてチームメートを鼓舞する姿、マネージャーとしてチームを献身的に支える姿、ゴールラインに全力で突進する姿、勇気をもってフルスィングする姿、行事でクラスのリーダーとして悩みながらも調整力を発揮する姿、陸上ボートで思いっきり弾ける姿、創作ダンスを見事に企画・立案・実行する姿、フィナーレで仲間を楽しませようと工夫する姿、昼休みに子どものように無邪気に遊ぶ姿、仲間を一生懸命支えようとする姿、猛暑の中での球技大会で全力プレーする姿、課題探究発表会で教授の専門的な突っ込みに堂々と受け応えする姿、自分たちの創作活動についての熱い思いを語ってくれる姿、天高をもっともっと良くするためのアイデアを語ってくれる姿、自身の進路についての思いを語ってくれる姿、最後の最後まで登校してひたむきに学習する姿・・・。

君たちのその純粋さは美しい、とてもとても輝いています。本当にありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。

いよいよ、皆さんはこの学び舎から次のステージへと進みます。
ここ城南の別天地から、自由の翼を拡げて、急速にグローバル化、多様化が進む世界へと旅立ちます。
隣人との関係をどの様に築くか から、地球規模の環境問題、エネルギー問題、食糧問題まで、さまざまな難題が待ち受けています。
課題に直面したとき、解決できない理由を考えることは簡単です。
しかし、どうすれば解決できるかを考えることは極めて難しいです。

実際、様々な価値観、異なる文化や慣習など、多様性が高まる中、解決策を見出すことは容易ではありません。
また、研究者として、成功するかわからない新たな技術の開発に向けて、失敗を繰り返し、粘り強く基礎研究を続けていくことは容易ではありません。

でも皆さんにはこの3年間で培われた「天高魂」があります。
「秀才を誇らず野人を誇り、名門を言わず実力をいう。明朗にして適度に楽しむことを忘れない」。
この「天高魂」を心に秘めて、常に当事者意識をもって課題に向き合い、その解決に向けて行動してほしいと思っています。 

正解はなくても、その時点での『最適値』は必ず存在します。 
また、失敗を繰り返す中で、新たな価値が創造されるかもしれません。
多様性を理解し、可能性を信じて、自らの頭で考え、未来を切り拓いていく、「人の心の痛みのわかる真のリーダー」として、それぞれの世界で活躍することを切に願っています。

「野人」がイノベーションを起こします。
たとえ、「文明」を変えたとしても、皆さんは「野人」のままで、「野人とは何か」を一生探究してください。

今、皆さんが手にした卒業証書は、一人ひとりのたゆまぬ努力によって得られたことはもちろんですが、その陰には、深い愛情を持って見守ってくださったご家族、友人、先生方、同窓会、桃陰奨学財団、地域の方々など、多くの人たちの励ましや支えがありました。このこともしっかりと胸に刻み、感謝の気持ちをいつまでも忘れないでください。

今日ここに座ることのかなわなった仲間への思いとともに、もう一度、皆さんにエールを送ります。

「七十七期生の皆さん、卒業おめでとう!」

そして、これからは、卒業生として、後輩へのご支援をよろしくお願いいたします。

最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
保護者の皆様には、この3年間、本校教育活動へご理解、ご協力を賜りましたことに、教職員を代表して、深く感謝申し上げます。ありがとうございます。

この最高の学び舎を「天高生としての名誉と責任」をもって巣立っていく七十七期生の前途に、幸多かれと祈念いたしまして、私の式辞といたします。

令和七年二月二十八日
大阪府立天王寺高等学校長
立川 猛士

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