「研究部合宿」を実施しました
8 月 12 日(火)・13 日(水) 天王寺高校研究部合宿
上記日程で、天王寺高校にある 6 つの研究部(物理・化学・生物・情報・数学・社会)合同、総勢22 名で岡山・西播磨へ、研究部合宿に行ってきました。我々研究部は、2 年に 1 度の頻度で合宿を行っており、今回が 2 度目の実施となります。
行程は以下の通りです。
〇1 日目
天王寺公園(てんしば)集合 → 井倉洞【見学・調査】 → 吉備青少年自然の家【研修・宿泊】
〇2 日目
吉備青少年自然の家 → 閑谷学校【見学・講話】 → 西はりま天文台【見学・講話】 → 天王寺公園 解散
以下、訪れた施設の概要と研修内容です。
・井倉洞(岡山県新見市)
石灰岩質のカルスト台地である草間台地に位置する大規模な鍾乳洞。全長約 1200 m、高低差は約 90 m。石灰岩は 3 億年以上前に海の底に溜まったサンゴや小さな生物に含まれていたカルシウム分が石になったもので、二酸化炭素を含む水に僅かに溶け、長い年月を経て洞穴となったもの。内部に無数に存在する鍾乳石は、僅か 1 cm 伸びるのに 70~80 年の歳月がかかるとされる。
洞窟内部の見学を実施しました。内部は水が絶えず流れ続けており、その流速の違いによって生じる棚田のような形に形成された岩や、実際に石灰岩が溶けて再び石灰岩に戻る化学反応式やその様子について学びました。
・吉備青少年自然の家(岡山県吉備中央町)
昭和 57 年発足、全国 7 番目の少年自然の家。宿泊だけでなく、研修やクラフト、野外炊事や野外活動が可能な設備を有する。また、付近の賀茂川や鳴滝湖などの水辺でのアクティビティも可能。宿泊および夜間研修の施設としてお邪魔しました。決められた規則の中での集団生活を行いました。
また、夜間研修として以下の内容を実施しました。
1.結晶構造の模型づくり
化学基礎で学習する、結晶格子のモデル 3 種類(体心立方格子・面心立方格子・六方最密構造)を、発泡スチロール球とプラスチック板を用いて作成しました。教科書の図としては見たことがある構造を、実際に自分たちで充填することで理解を深めました。
2.三目並べの必勝パターン構築
〇×ゲームとして有名な三目並べ。そこに、『4 手目を置くと 1 手目が、5 手目を置くと 2 手目が…』と、次々消えてしまうというルールを追加した場合の必勝パターンを構築する思考パズルに挑戦。ゆくゆくは、この思考ルーティンを搭載したCPUと対戦した時、果たして勝利できるのでしょうか。
3.天体観測
本校所有の天体望遠鏡を持参して、大阪よりも街の明かりが少ない環境での天体観測に挑戦しました。天候が優れない条件下、かつ門限もある中でしたが、精いっぱいの時間を使って観測に挑戦しました。
4.夜間生物観察
高原地帯に位置する青少年の家の近辺で、生物観察をしました。カブトやクワガタ・・・は残念ながら見つかりませんでしたが、普段はなかなか足を踏み入れられない夜の雑木林と、当日もにわかに強く降った雨が流れる人工の側溝を中心に、サワガニなど様々な生物を見つけることが出来ました。
・旧閑谷学校(岡山県備前市)
寛文十年(1670年)岡山藩主池田光政が設立した、日本初となる『庶民のための学校』。地方のリーダーを養成する学校として開校され、孔子の論語に基づき、学ぶ力と礼節を重んじた近世の教育は、日本の近代化の原動力となり現代にも受け継がれている。現在も、宿泊研修などをはじめ、生涯学習の場として利用されている。また、かつて学びの場だった講堂は国宝にも指定されており、創立当初から現在まで姿形をほとんど崩さずに保つその様は、静謐な学びの場としてだけでなく、建築の分野においても興味深いものとなっている。
併設されている青少年教育センターの方から、沿革や見どころ、一見しただけでは気付きにくいポイントなどもご説明いただいたあと、各自で自由に敷地内を見学しました。神社にある橋が、参拝者を清め、人間の世界から神の世界へ近付くことを表すのと同じように、閑谷学校の前にある橋は、俗世間と学びの場とを隔てる意味があり、300 年以上の時を経ても草木が繁茂せず、その姿を留め外界とを隔てる石壁に囲まれた空間は、本気で学びについて考えつくされて作られた空間だということを実感しました。
・西はりま天文台(兵庫県佐用町)
日本国内最大かつ、公開望遠鏡としては世界最大級を誇る口径 2 m の経緯台式望遠鏡『なゆた望遠鏡』を有する天文台。他にも、赤道儀式の 60 cm 望遠鏡や、太陽モニター望遠鏡など、ただ単に”星”に限らず、様々な天体を観測し、人間の作り得た『科学』と『技術』のすばらしさが体験できる場所。
建物上部に設置されている『なゆた望遠鏡』や赤道儀式望遠鏡が実際に動く様子や、その構造について解説をしていただきました。天文台で研究をされている方は“星が好きな、星の専門家”だけでなく、例えば X 線や赤外光など“物理の専門家”など、様々な専門の方が集まっておられることを知りました。また、“研究員ものがたり”として、研究員の方がどのような進路、経歴を辿ってこられたのかのお話も聞かせていただき、理系に進んで大学、大学院と進学した場合の“さらにその先の進路”についても学ぶことが出来ました。生憎の天候で、昼間の天体観測はなかなか上手くいきませんでしたが、いずれまた伺って、天体観測に臨みたいと思います。
最後になりましたが、本合宿は『公益財団法人 桃陰奨学財団』のご支援を受けて実施致しました。
このたびのご支援に改めて心より感謝申し上げます。




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